留美の焦り

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飲んで30分もしないうちに強烈な眠気が襲ってきて、ベッドに倒れこんでいた。 きっと孝一も同じ状態になるだろう。 彼は情事のあと、いつもミネラルウォーターを飲みたがる。 その中に薬を入れるつもりだった。 「美味しい! やっぱり留美のシチューは最高!」 食べながら満足げな声を出す孝一。 「良かった、喜んでもらえて。孝一さんに褒められると、ますますヤル気出ちゃう」 私が喜々として言った時、孝一の携帯が鳴った。 「ごめん。マナーモードにしてたつもりなのに……」 孝一は携帯音を無視している。 「出なくていいの?」 「大丈夫。メールだから」 孝一の言葉通り、音はすぐに止まった。
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