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今日だけではなく三日間も会えないと言われ、落胆が大きかった。
孝一との距離は、どんどん離れて行くような気さえする。
バレンタインの夜、彼は沙織ではなく私を選んでくれた。
それからすぐに沙織と別れてくれた。
彼と同棲していた沙織は部屋も出た。
沙織が引っ越したのは三月――。
そこまでは私の希望通りだった。
順調過ぎて恐いぐらいだった。
だが、そこからが上手くいかない。
沙織の引っ越しから三ヶ月以上経っても、私の望み通りに事が進まないのだ。
『孝一さんと一緒に住みたいわ』
沙織が出て行ってから、私は彼に気持ちを伝えた。
だけど彼は一緒に住むことを否定した。
『ごめん。もう同棲はしたくないんだ』
それが彼の返事だった。
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