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「ええ、いいわよ。彼と住んでるマンションよね?」
「ううん。私、今一人暮らしなの」
「え?」
「別れたのよ。だからアパートに一人暮らし。来てもらえるかな?」
「行くわ! いつ行けばいい?」
「明日でもいい? もし遥子の予定が空いてるなら……」
「大丈夫。行くから場所を教えて」
翌日の昼過ぎ、沙織に聞いたアパートの最寄り駅に着いた。
電車を降りて改札を抜けたところで、沙織の待ってる姿が目に飛び込んできた。
沙織、痩せちゃったな――。
この前会った時……豪ちゃんを紹介してもらった時よりも、身体が一回り小さくなったように見える。
私に気づいた沙織が笑顔を向けた。
だがその笑顔は淋しげで、無理して笑っているように感じた。
「ありがとう。わざわざここまで来てくれて」
「ううん。それより沙織、痩せちゃって……。ちゃんと食べてる?」
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