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「どうして? どうしてそんなことになるの?」
私は興奮気味に尋ねてしまう。
沙織は淡々と話してくれた。
留美が彼の会社で働いていること。
それは沙織の紹介がきっかけだったこと。
留美が彼を好きになったこと。
彼の方も留美に気持ちが傾いてしまったこと。
すべてを聞き終えた私は憤慨して叫ぶ。
「それって酷くない? 沙織の厚意が裏目に出たってことでしょ!」
「こんなふうになるって分かってたら、紹介しなかったわ」
「留美は酷いわ。許せない!」
「だけど仕方ないわ」
「どうして沙織は許せるの? どうして大人しく別れたの?!」
「……」
「沙織は何も悪くないのに。どうして沙織が悲しまなくちゃならないの!」
「恋愛は善悪じゃないのよね。魅力のない方が負けなのよ……」
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