遥子の本気

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「うん。旅館に戻るまでの間に、どっちが多く桜の花びらを拾えるか」 「え?」 「ただし、道に落ちたのを拾うのはダメ。舞ってるのを拾うの」 「いいわ」 私たちは舞い落ちる桜の花びらを追いかける。 子供のように走ったり止まったりジャンプしたりしながら。 二人で夢中になって追いかける。 楽しくて嬉しくて私は心の底から笑っていた。 こんな時間が永遠に続くことを願っていた。
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