沙織の涙

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梅雨明けを感じさせる青空が広がっていた。 今日は最高気温も30℃を超えそう……。 良い日になるといいな……。 カフェの大きな窓から外を眺めながら、私はそんなことを思っていた。 「いやぁ、お待たせ」 店内中に響き渡りそうな大声と共に、松岡先生が現れた。 「今日は暑いねぇ。もう夏だね」 「ほんと、そうですね」 彼はハンカチで額の汗を拭きながら、私の前に座った。 「沙織ちゃん、お昼食べた?」 「いえ、まだですけど……」 今の時刻は11時半。 昼食を食べるには早い時間だ。
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