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「自分のことは何も書いてなかったの?」
「元気みたいよ。でもね、気になることも書いてあった」
「どんなこと?」
「ちょっと待ってね」
沙織はバッグから携帯を取り出し、メール画面を開く。
そしてそのまま私に携帯を渡した。
「読んでみて」
「いいの?」
「遥子ならいいわ。遥子に読んでみて欲しい。どう思うか聞きたい」
沙織に言われるまま、私は孝一さんのメールを読み始める。
「化粧室に行って来るから、遥子は読みながら待ってて」
「うん」
椅子から立ち上がり、化粧室の方へ向う沙織。
沙織が席を外して一人になった私は、何度も何度もそのメールを読んでいた。
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