遥子の愛

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「でも、たとえ何年一緒に暮らしても、別れたら関係無いんじゃない?」 「まぁね。そういう場合も多いけど……」 「だから嬉しかったの。だってメールくれたってことは、いつか私から連絡しても迷惑じゃないと思うから。それが分かっただけでも、すごく大きかった」 「うん。そうだね」 「いつでも連絡していいんだって思ったら、パーッと気持ちも明るくなっちゃった」 嬉しそうに言う沙織の言葉を聞きながら、幸せは心の持ちようだと改めて思った。 傍から見れば辛そうな状況に見えても、本人の気持ち次第で幸せを感じられるのだと……。 数日後、私は豪ちゃんの腕の中にいた。 10日ぶりの逢瀬だった。 都心の一流ホテルのレストランでフレンチのディナーを食べ、そのまま部屋にチェックインした。 スタイリッシュなインテリアと窓から見える夜景の煌きで、日常を忘れさせる空間。 部屋でもワインを開けて乾杯したけれど、30分もしないうちにベッドの中に引き寄せられていた。
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