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「最初は派遣でもいいのかな……」
私が呟くと沙織は頷いた。
「とりあえず派遣で働いて、実務経験を積むのもアリかも。遥子の人生がかかってるから簡単には言えないけど……」
沙織の言う通り、とりあえず派遣で働く方に心が傾く。
夫と嫌々暮らす今の生活よりはマシに思えてきて。
「ここの家賃っていくら?」
失礼な質問なのかもしれないが、私は聞かずにいられなかった。
沙織は気さくに答えてくれる。
「6万よ」
「空いてる部屋、あるのかな?」
「あると思うわ! もしかして遥子、ここに住んでくれるの?」
「沙織と同じアパートなら心強いと思って」
「それはこっちのセリフ。遥子が来てくれたら凄く嬉しい!」
沙織が喜んでくれたので、私もますますその気になる。
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