遥子の決意

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「ねぇ? 沙織の生活ってやっぱり大変? 派遣のお給料でここの家賃払って、光熱費や食費なんかもやりくりして」 「大変と言えば大変だけど……。手取りはだいたい18万。そこから6万の家賃を引いて残りは12万。贅沢はできないけど、一人で普通に食べてくだけなら大丈夫よ」 「それなら何とかやってけそうな気がするわ」 「実際、どうにかやっていけてるしね。ここに住んで半年経つけど」 沙織と話すうちに私の心は固まった。 近いうちに派遣登録して働こう。 このアパートに引っ越して来よう。 未来の保障は何もなかった。 生活の安定だけを考えるなら、現状維持の方が確実。 だけど――。 精神的にストレスだらけの暮らしは、もうたくさん。 無謀であっても未来の可能性に賭けたかった。 形だけの安定なんて、ぶち壊したくなった。 そして早速の翌日、私は沙織と同じ派遣会社に登録した。
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