遥子の決意

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夏が過ぎ行くにつれ、私の決意も固まっていた。 ――離婚しよう。 漠然とした思いは本気になりつつあった。 もう夫とは一緒に暮らせない。 豪ちゃんと出会う前から夫への不満は噴出していたが、離婚までは決心できなかった。 でも、もうダメ。 豪ちゃんと出会って、心から愛し合う喜びを知った今、夫の顔を見ることさえ苦痛だった。 だけど――。 離婚するとは決心したものの、現実的な問題が山積みで。 おそらく夫はすんなりと離婚に応じてくれるだろう。 むしろ私の方から切り出すのを待っているのではないか。 だから離婚するしないで揉める心配はなかった。 問題なのは、その後の生活。 無職の私は仕事を見つけなければならない。
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