遥子の決意

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「元気? 遥子と話したくなって電話しちゃった。近いうちに会わない?」 「どうしたの? 何かあった?」 「うん、まぁちょっとね」 沙織の声は嬉しそうに弾んでいた。 何かいいことがあったに違いない。 「沙織、いいことあったでしょ? 声が嬉しそうだもの」 「ふふ、そんな大きなことじゃないんだけど……。遥子には聞いてもらいたいのよ」 「いいわ。実は私も沙織に相談があるの」 「どうしたの?」 「会って話すわ。沙織と違って悩み相談だけどね」 「聞くわ。会いましょう!」 私たちは今度の日曜日に会う約束をした。 「できれば外で会うのではなく私の部屋に来て欲しい」と沙織にお願いされ、私は承諾する。 経済的に苦しい沙織は、交際費に回せるお金が少ないらしい。 「部屋で会うことで少しでも節約したい」と恥ずかしそうに言った。 以前と違って今の私には、その気持ちが充分理解できる。
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