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「ありがとう。急な誘いなのに来てくれて」
孝一は優しい声で言った。
「ううん、私の方こそ誘ってくれて嬉しかった。箱根にドライブなんてワクワクしちゃう」
素直な本音を伝える私。
「そう言ってもらってホッとした。嬉しいよ」
言いながら孝一はアクセルを踏み、車を走らせる。
カーナビに従ってのドライブは順調で。
私は窓からの景色を眺めながら、幸せを感じていた。
だって、隣りには孝一がいる。
ドライブデートの相手に私を選んでくれたのだ。
留美ではなくて。
――その後、留美とはどうなったの?
知りたかったけれど、自分から質問するのは止めておいた。
今はこのドライブの楽しさに集中しよう。
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