浮かれる沙織

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「ありがたく沙織の手作り弁当をいただくよ。楽しみだな」 「味の保障はしないけどね」 「どこで食べようか? せっかくなら自然の中で食べたいな」 「彫刻の森美術館はどう? 緑も多いし」 「いいね、そうしよう!」 孝一は満足そうに同意した。 彫刻の森美術館に到着して車から外に出ると、東京よりも空気が美味しく感じられた。 自然豊かな広い公園内に、世界の巨匠の彫刻作品が点在している。 緑に恵まれ、きっとマイナスイオンもたっぷりだ。 観光客は思ったほど多くない。 実際の人手は多いのかもしれないが、公園が広いので混んでいるとは感じない。 私たちはお弁当を食べられる場所を探し、レジャーシートを広げて腰をおろした。 「凄く落ち着くよ。癒される」 孝一が実感のこもった声で言った。 私が作ったお弁当も美味しそうに食べる。
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