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息を吐いたあと見上げた夜空は、三日月が美しかった。
「予約したよ。レギュラーツインの部屋だって」
電話を終えた孝一が私に向かって言った。
「ありがとう、助かったわ」
「留美の名前で予約したからさ。フロントで名乗れば分かるよ」
「……うん」
孝一は自分の名前ではなく、私の名前で予約した。
ということは……
やっぱり私を一人で泊まらせるつもり。
私を残して自分は帰るつもりなのだ。
私が不安を露わにしていると孝一は言う。
「ホテルまで送って行くよ。タクシーと電車、どっちがいい?」
「○○ホテルなら、ここから送迎バスも出てる筈よ」
「わかった、行こう」
私たちはバス乗り場へ移動する。
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