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はっきり「ダメ」とまで言われ、胃の中に苦いものが込み上げてくる気がした。
反論しても無駄だと分かりつつ、それでも私は食い下がる。
「そういうところ、って？ 不安だから添い寝を頼んだこと？ 孝一さんに甘えてしまったこと？」
「そうじゃなくて……」
孝一は次の言葉が浮かばないのか、それとも言いにくいのか、目をそらしたまま黙ってしまった。
私はこの最悪の状況を覆すチャンスとばかりに言い続ける。
「不愉快だったら謝るわ。孝一さんが『困った時はお互い様だから』なんて言ってくれたから、つい甘え過ぎてしまったの。ごめんなさい」
さっきの激昂とは打って変わって、しおらしいセリフだった。
私は孝一の優しい反応を期待して、彼の言葉を待っていた。
「僕も悪かったと思う。中途半端に優しくしたりして。自分でも分かってるけど、優柔不断は僕の大きな欠点だよ」
「違うわ。優柔不断じゃなくて本当に優しいのよ」
「僕はそんなできた人間じゃない。優しいんじゃなくて争い事が面倒なだけだ」
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