拒絶される留美

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エレベーターを5階で降りた私と孝一は、チェックインした部屋に向って長い廊下を歩く。 私の気持ちの半分以上は、戦いが上手くいった勝利者のように喜びが溢れていた。 孝一と一緒に泊まれる状況まで、事は運べたのだから。 自分たちの部屋を見つけ、カードキーを差し込んでドアを開ける。 私が部屋の中に入ると、あとから孝一もそっと足を踏み入れた。 オートロックのドアがガチャリと閉まる。 二人だけの密室になり、私はすぐにでも孝一に抱きつきたい衝動に駆られた。 その激しい気持ちをぐっと抑え、体調の悪いフリをする。 「ちょっと横になるわ。その方が楽だから」 「大丈夫?」 孝一は心配そうに私を見つめる。 「多分、しばらく横になってれば治ると思う」 私は上着も脱がず、窓際のベッドに横たわった。 孝一はもう一つのベッドに腰を下ろす。
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