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孝一は焦ったように何度もコーヒーを口に運んだ。
「ごめんなさい、変なこと言っちゃって。気にしなくていいわ」
私の言葉で孝一は少しホッとした顔になる。
「正直、焦ったよ。子供ができたのかと思った」
「……」
「そんなこと、ないよね?」
「……」
私が答えないので、孝一は再び動揺し始める。
「どうして黙ってるの? まさか、本当に……できたの?」
私は声を出さずに、ゆっくりと頷いた。
孝一は言葉を失い、愕然とした表情。
気まずい沈黙が流れる。
私はあくまで孝一の言葉、反応を待つつもりだった。
長い沈黙のあと、孝一が重たい口を開く。
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