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私の言葉の意味を理解した孝一は、衝撃を受けていた。
何度も溜息をついたり、頭を抱えたりしている。
私はそんな孝一を冷静に観察していた。
もっともっと苦しめばいい。
私を忘れるくらいなら、罪悪感を持たせてやりたい。
ずっと私のことを引きずって生きていけばいい。
私の恋心はエゴのかたまりとなって燃えていた。
「それって、いつのこと……?」
孝一が泣きそうな声で尋ねる。
「先月」
「どうして、その時に言ってくれなかったの?」
「孝一さんから別れを切り出されて、冷却期間中だったし、」
私の言葉を遮って孝一は叫ぶ。
「こんな大事なことに冷却期間は関係ないよ!」
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