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私は孝一に背を向けたまま言う。
「シャワー、浴びるでしょ? 私はしばらく休みたいから、孝一さんが先に使って」
「身体は本当に大丈夫なの?」
「大丈夫。横になってれば本当に楽だから」
「わかった。なるべく早く済ませるよ」
孝一は備え付けの浴衣を持ってバスルームへ行った。
私は少しの間、窓から見える夜景を眺めていたが、立ち上がってカーテンを閉める。
そして再びベッドに横たわり、孝一が出て来るのを静かに待っていた。
20分ほどでバスルームのドアが開いた。
「具合はどう?」
浴衣を着た孝一が、私に声をかけながら近づいてくる。
孝一の濡れた髪からシャンプーの匂いがした。
「ありがとう。楽になったから、私もシャワーを浴びてくるね」
「大丈夫なの? 寝てた方がいいんじゃない?」
「浴びちゃった方が眠れそうだから」
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