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孝一はまたもや申し訳なさそうな顔をした。
今日の彼は謝ってばかりだ。
「孝一は悪くないわ。私が急に誘ったんだもの」
「でも、沙織が辛い時に役立たずで……申し訳ないよ」
「予定がなかったら来てくれた?」
「うん。現に今日は来たわけだし」
その言葉で私は嬉しくなる。
「ありがとう。その気持ちだけでも有難いわ」
確かに今日、孝一は来てくれた。
今は留美ではなく私と一緒なのだ。
留美のことは私さえ気にしなければいい。
「じゃあ、また誘っても来てくれる?」
良い返事を期待して私は質問した。
しかし孝一は質問の本質をはぐらかして答える。
「ラジオドラマで良い結果が出たら、お祝いしよう」
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