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「そうか……」
短く唸るように言った後、孝一は黙ってしまった。
私はじっとしていられない気持ちになる。
どういう事なのか事情を知りたくて。
「今、どこにいるの?」
「自宅だよ」
「一人? 留美と一緒なの?」
「今は一人だよ」
「会えない? 今日これからは無理かな?」
はやる気持ちを抑えられず、飛びかかるように尋ねていた。
「そうだな……どうしようかな……」
孝一は迷っている口ぶりだ。
私はじりじりした思いで、孝一の答えを待っている。
「じゃあ夕方に会おうか」
「ええ。夕飯を一緒に食べない?」
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