遥子の好奇心

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自分だけのものにならないのなら、きっぱりと忘れてしまいたい。 私は豪ちゃんを忘れるべく、気を紛らわせる努力をしていた。 昨日は会社帰りにスポーツクラブの見学へ行き、申し込みの手続きもした。 今度の土曜日は結婚相談所のカウンセリングを予約している。 今すぐ結婚したいわけではないし、結婚相談所に入会するつもりもないけれど、話だけは聞いておこうと思った。 私は新しい経験を生活の中に取り入れることで、豪ちゃんを忘れようとしていた。 今までと変わらない日常では、どうしても豪ちゃんのことばかり考えてしまうから。 一昨日、沙織の受賞をお祝いをしながら、留美と会うことを提案した。 最初は反発していた沙織も、最後は納得したようで。 私が留美に声をかけ、もし留美が断らなかったら沙織も会う気になっていた。 女三人で会う場面を想像すると無性にワクワクした。 三角関係の当事者ではないから、自分は傷つくことなく好奇心が満たされる。 平凡な生活の中、刺激的なことがあればあるほど、豪ちゃんを思い出す時間は少なくて済んだ。
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