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「私ばっかり食べちゃってごめんね。沙織のカレー、凄く美味しいよ」
「多めに作ったから遠慮しないで食べてね」
「ありがとう」
私は黙々とビールを飲み、遥子はカレーとミネラルウォーターを交互に口へと運んでいた。
「ごちそうさま。ほんと美味しかった」
遥子は立ち上がって、食べ終えた皿を流し台へ持って行く。
私は部屋の置時計を見ながら呟いた。
「孝一に確認してみようかな……」
戻って来た遥子が元の位置にペタンと座って言う。
「うん、気になるなら孝一さんに聞いた方がいいよね! 孝一さんの気持ちがハッキリ分からないと、沙織だって辛いし」
遥子は私の背中を押してくる。
「私が沙織だったら、彼の気持ちを知るまでは前に進めないよ」
遥子は訴えるようにきっぱりと言った。
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