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「じゃあ電話してみる」
私はすくっと立ち上がり、机の上に置いてあった携帯を手に取る。
遥子が驚いた顔をした。
「えっ、今かけるの?」
「まだ8時前だし、電話しても平気な時間でしょ?」
「時間は平気だけど、でも、いいの? 明日のラジオ局が終わってから方がいいんじゃない?」
遥子にしては珍しく慎重なことを言い、私の行動にストップをかける。
「そうかな……」
「だって、もしもよ? 最悪の場合だったら明日に響かない?」
私は携帯を握りしめたまま座り直す。
確かに遥子の言う通り、孝一に確認して留美の言葉が本当だったら、明日の私は平静でいられないだろう。
せっかくラジオ局に行っても、そこで大失態を演じてしまうかもしれない。
だけど、このままじっとしているのが辛かった。
白黒決着がつかないまま悶々として、今夜は眠れなくなりそうだ。
ラジオ局に徹夜で行ったら、良い結果は得られない気がする。
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