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翌日、予定通りに遥子からのメールが届いた。
『今週土曜日の午後3時、新宿Kホテルのティーラウンジでお茶しましょう』
その日、孝一は休日出勤だと言っていたので、私は遥子の誘いを快諾。
一人のつまらない土曜日が、楽しい約束で埋まって嬉しかった。
遥子を通じて沙織の情報を耳に入れられるのも大きなメリットだ。
もっとも孝一と沙織の仲に関しては、もう何も心配していない。
彼は二度と私から離れないだろう。
◆ ◆ ◆
約束の土曜日、私は待ち合わせのティーラウンジへ向かう。
その直前、ホテルの化粧室で念入りに化粧直しをした。
幸せで華やかな自分を遥子に見せつけたくて。
うん、完璧だわ――。
周りに人がいなかったので、私は化粧室の鏡の前でにっこりと微笑んだ。
化粧室を出てティーラウンジに向う途中も浮かれ気分だった。
そしてラウンジに足を踏み入れ、遥子の姿を探して全体を見回した瞬間……!
私は驚きのあまり、身動きできなくなった。
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