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自分の気持ちに正直に。
欲しいものは何としてでも手に入れる。
そんな生き方は間違いなのだろうか。
この期に及んでも、間違いだとは認めたくなかった。
だけど自分の思いを貫いた結果、一人ぼっちになってしまった。
私はこれから、どうすればいいのだろう。
どうやって生きていけばいいのだろう……。
「お客様、申し訳ありません。今からバータイムになりますが、お飲み物はいかがなさいますか?」
ラウンジのスタッフに声をかけられ、私は慌てて立ち上がる。
「すみません、もう帰りますので」
ラウンジからも自分の葛藤からも逃げるようにして、私は帰宅した。
マンションの部屋に入った途端、耐え切れないほどの絶望感と孤独感に襲われる。
私は部屋の隅にうずくまったまま夕食もとらず、しばらく何もできなかった。
孝一は今、何をしているのだろう……?
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