240人が本棚に入れています
本棚に追加
私は麦茶をひとくち飲むと、当然といった顔で答える。
「そんなの当たり前じゃない」
「じゃあ妊娠は本当だったの?」
遥子が興奮したように叫んだ。
私はどう話すべきか迷っていると、遥子の追及が続く。
「本当だったなら、どうしてちゃんと言わなかったの? 四人で話した時に打ち明ければ良かったじゃない!」
私は苦笑して遥子の誤解を解く説明をする。
「だって妊娠が分かったのは、そのあとだもの。あの時に言えるわけないじゃない」
私の言い分を聞いた遥子は、口が半開きのポカンとした表情になる。
代わりに沙織が質問してきた。
「じゃあ分かったのはいつ? いつできた子供なの?」
私は二人に事のすべてを説明した。
孝一と別れる直前、11月にできた子供であること。
最初のコメントを投稿しよう!