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私は最後に訴える。
「私は事実と正直な気持ちを全部話したわ。お願いだから、孝一さんに言ったりしないでね」
沙織と遥子は何も答えない。
「このまま自分の決めた通りに生きたいから。私の意志だから」
再び長い沈黙が流れる。
私は訴えるような想いを込めて、沙織の目を見つめていた。
「……分かったわ」
ようやく出た沙織の一言。
「絶対よ。約束だからね!」
私は強く念を押す。
沙織は黙って首を縦に振った。
「遥子もお願いね。私の人生なんだから、お節介はしないでね」
「分かった。留美と沙織が納得してるなら、もう余計なことはしないわ」
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