沙織の未来

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夏の夜風が心地良く感じられるオープンカフェで、私は孝一が来るのを待っていた。 アイスティーを啜って、通りを行き交う人たちをぼんやりと眺めながら。 孝一の会社は、ここから歩いて10分くらいの所にある。 「お待たせ!」 仕事を終えたばかりの孝一がスーツ姿で現れた。 真夏でもスーツにネクタイ……。 男性は気の毒だな、なんて一瞬だけ思ったけれど、呑気な思考はすぐさま緊張感に変わった。 「ここ、暑くない?」 「さっきまで中にいたんだけど、冷房が強すぎて寒くなっちゃったの。でも孝一が暑いなら中でもいいわ」 私はアイスティーを持って立ち上がり、店内の席に移動しようとした。 それを両手で制する孝一。 「外で大丈夫。僕も飲み物を買ってくるから待ってて」 言いながら孝一は店内に入って行った。
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