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ありがたさと驚きが強過ぎて、すぐには反応できないほどだった。
私にとっては願ってもない孝一の申し出。
だけど彼にとっては、それでいいの?
孝一は私と一緒になって幸せなの?
いろいろ考えて、たくさん悩んで、お互い充分に話し合って、私たちは一つの結論を出した。
子供の認知はすぐにしてもらう。
だけど婚姻届に関しては、もう一度ちゃんと付き合って、本当に結婚したいと思ったら、その時に籍を入れよう、と。
私が強く望んだため、そういう結果になった。
私が孝一と結婚したい気持ちは変わらない。
きっと、この先もずっと……。
だから私は孝一からプロポーズしてもらえるように、女として母として人として魅力的になりたいと思っている。
今は心からそう思っている――。
「結婚が決まったら教えてね」
沙織が澄んだ眼差しで私を見つめながら言った。
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