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 短くなった前髪に彼の人差し指が小刻みに触れてくすぐったい。 短くなった前髪は触れて欲しくなかったのに。私は更に俯いた。 「菜緒は可愛いね」 腰を掴まれてグググッと音をたてて、ソファの上で45度向きを変えた。 ソファの上で胡座をかいていた彼の足が私の腰に絡みつく。 「若く、見えるよ」 至近距離にある彼の瞳は私の小さな変化をまだ探している様で、クルクル動く。 「私、若いから…」 楽しむ彼を睨んだ。
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