未来の君へ

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この街は何も変わらない。 季節は春だけど、夜はまだまだ肌寒い。今日の月は姿を消して、空は暗い。 仕事は忙しくて、ただ毎日が過ぎて行く。 変わらないこの街に 今日から彼女だけが、いない。 今日だって 郁真のバイト先に行けば、少し大人びた佳代ちゃんはいるのに。 菜緒… 菜緒… 会いたい… 菜緒… もう、東京に着いてるんだよな? 意気地なしの俺の携帯は電源をオフにしたまま。 もしかしたら… 菜緒から連絡が入っているかも知れない。 いや、菜緒は… もう、俺に連絡して来ないーーー アイツは とっくに未来に向かって歩き始めてる。
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