未来の君へ

10/19

197人が本棚に入れています
本棚に追加
/222ページ
「嫌だよ…。 俺、あの子のノルマには随分貢献しただろ?これ以上つきまとわれたら 破産するじゃん」 「そうですね。でも連れて歩くには、いいんじゃないですか?」 高校時代から仲の良かった花奈の友達の瑠衣ちゃん。スポーツショップで働いてるせいで仲良くなったけど。 「もっと無害なのがいい… 外見なんかどうでもいいじゃん。普通の子を選ぶよ」 俺の本音を察したのか、郁真は何も言わなかった。 そう言えば… 菜緒とした、訳わかんない喧嘩の原因は瑠衣ちゃんだった。 いつもなら、言葉にしなくても雰囲気から状況を察する菜緒が珍しく泣いて怒った。 電話だったし、次の日の出張の準備で慌ただしくて。その後も営業先との接待や期限の厳しい仕事を押し付けられて、それどころじゃなかった。 歳上のクセに余裕が無いとか思われるのが嫌で。必死こいてる姿は見せたくなかった。
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

197人が本棚に入れています
本棚に追加