未来の君へ

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**** 「今日は人が多いな」 駐車場からアーケードに向かう歩く休日の午後。 スーツ姿や着物姿がヤケに目につく。 「成人式だからじゃない?」 「そうだっけ…」 無意識に頭の中で計算して… あ。 20歳になったんだーーー と、アーケードの入り口で群がる人混みを眺めた。 「アーケードの中も新成人の子達でいっぱいかもね」 「あー、うん。ああ。」 隣から聞こえる声にも曖昧な対応しか出来ない。 すれ違う人、振り返る人、立ち止まる人、追い越す人に…… 淡い期待を抱いてしまう。 きっと、綺麗になってるんだろうな。 ギャルになってたりしたら、ウケるな。 「ともくん、先に本屋に寄っていい?」 ジャンパーの裾を引っ張られて、早歩きになってるのに気づいた。 「あ?…あー。いいよ」
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