未来の君へ

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心在らずな返事をしてたことに気まずさを感じて、歩く速さをあわせる。 あれから一度も会ってない。 近況も知らない。 何を浮かれてんだか…恥ずかしさを寒さで誤魔化す様に片手で口元を覆う。 アーケード街はいつにも増して混みあっていた。カラオケボックスの自動ドアが開いた音がして、何気なくそちらに顔が動く。 賑やかな声と勢いよく飛び出してきた女の子の肩が俺の腕がぶつかった。 「キャっ…すみませ、 あ。あ、れ?」 「あ……久しぶり」 顔が熱くなる。 化粧もしてるし、髪型もあの頃とは違うけど。 自動ドアが開いたり閉まったりを繰り返しても、その場から動けなかった。 「ちょっと、佳代! 何やってんのよ。すみません…」 後ろからゾロゾロ出てくる若い女の子たち。そこには、探していた顔はない。 「昔の知り合いに偶然会ってんのよ…ナンパとかじゃないから」 伏し目がちに説明する佳代ちゃんと、俺をジロジロ見る友達。 「佳代ちゃん、ちょっと見ない間にギラギラしてるね」 懐かしさがこみ上げる俺は、彼女たちとの年齢差を感じずにはいられない。
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