苦い記憶

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二人を目だけで見送って、しばらく立ち尽くしていた。 女の子を泣かしてしまった小学生の僕は、その行動がもたらした結果に、戸惑っていた。 家に帰ってからも、小学生の僕の心は女の子の泣き顔でいっぱいだった。 次の日から僕の目はその女の子を追っていた。 学校で見る女の子は何時もの様に大きな声で男の子達を注意していた。 その顔からは、あの日の泣き顔は想像できなかった。 謝るきっかけもないまま、小学生の僕は小学校を卒業した。 いや、そうじゃない。 謝る勇気がなかっただけだ。
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