第1章

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潤SIDE 何を言われたのか一瞬理解できなかった。 何度も何度も噛み砕いて、呑み込んで初めて理解する。 酷く切なそうな瞳が俺を射抜いていた。 俺だと分かっていないのかもしれない。 すぐに名乗れば済む話なのかもしれない。 けれど、不安が心に残る。 もしかしたら本当に忘れてしまったのかもしれないと。 臣「……誰だ、お前達は……」 兄貴も同じようなことを言う。 隣をちらりと見ると、フルフルと呉羽の拳が震えていた。 これも、これすらも対価なのだと割り切っているのだろうか。 喉がからからに乾いて、頭の中が真っ白になって何も出てこない。 イ「母上たちが眠ってから、まだ4年しか  経っておりません  本人達です  母上と父上の心を持ってきてもらったのです」               
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