第1章

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段々と郁たちの瞳が見開いていく。 そして、顔を見合わせた。 郁「…潤…先輩……」 臣「…呉羽……」 微かな声色で紡がれた声は確かに俺に届いていた。 けれど何も言葉に出来ず、ただ頷くだけになってしまった。 それだけでも確かに伝わったようで、郁の瞳に大粒の涙がたまる。 郁「潤先輩っ!」 手摺の所に手をかけ、立ち上がろうとする。 けれど、その体は人形のようにぐにゃりと地面に伏した。 同じように立ち上がろうとした兄貴も同じように膝をついていた。 いや、膝をつくのも辛いらしい。 とうとう地面に伏してしまった。 慌てて駆け寄り、その体を支える。 握りしめた手からは弱弱しい力が返ってきた。 イ「まだ魂が体になじんでいないのでしょう  しばらくは車椅子生活になりそうですね」 臣「…そうみたいだな」 苦笑して兄貴はイエスの方を見る。         
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