第1章

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郁「初めまして、この世界のイエス  貴方の名前は何かな?」 イ「僕はキリウェル・クリア  キリって呼んで」 先程までの声色とは打って変わって、幼い声になる。 この声こそ、外見と合っていてしっくりとくる。 しかし、先程までのことを思うと違和感があった。 キ「ねぇ、郁  僕のマリアは?」 郁「いるよ  おいで、感じてみる?」 キ「うんっ!」 子供らしい笑顔を携えたイエスが駆けよる。 そして、そのまま郁に抱きついた。 それを受け入れるように、郁は瞳を閉じる。 キ「いた……  僕のマリア…」 ぼそりと何かを呟いて、イエスは瞳を閉じた。 それを見つめる郁の瞳は母のようだった。 正に聖母。             
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