第1章

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中には泣き出した者もいた。 皆、頭を深く垂れ、瞳を閉じる。 最上級の礼。 それを、微笑みながら兄貴たちは受け入れていた。 優「4年ぶりだな、郁、臣」 カリシュアルの入り口では、優和が出迎えていた。 その横には2台の車椅子。 どうやら千里が先に連絡を入れて、手配していたらしい。 それぞれに郁と兄貴を座らせ、中に入る。 入口では、朝にもかかわらず、多くの人で賑わっていた。 入口から道を作るように、両サイドに密集している。 「「「お帰りなさいませ、魔剣様」」」 これには、郁も驚いたようだった。 魔剣、と不思議そうにつぶやく。 そうか、郁は知らないのか。 千里は魔剣に就任することはなかった。 そのまま炎剣の地位にいる。 魔剣に相応しいのは郁だけだと、拒否したのだった。 それに否を唱えるものは誰もいなかった。 千「話は診察が終わってからにしましょう」
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