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食い気味に後ろで黙って成り行きを見ていた、キリウェルが飛び出してきた。
そして、郁の体に顔を押し付ける。
キ「マリアが母上と父上の子供として
生まれるんだ
そうすれば、僕とマリアは“同じ”になる」
訳がわからないことだ。
けれど、1つ理解したことがあった。
母上と、父上の子。
呉「…臣と郁の…子供ですか……?」
そんなはずはない。
2人は男同士。
魔法が満ちあふれるこの世界でも、男同士で子供を作る技術はまだない。
しかし、そんな事ぽかりと頭の中から抜け落ち、2人の子供という言葉だけが頭に残った。
優「……どういうことだ?」
怪訝な表情で優和は郁を見つめる。
キリウェルに説明を受けることを諦めたらしい。
郁「長い話になります
異常が無ければ、談話室に行きませんか?」
いつも郁は何もかもを見据えた瞳をする。
兄貴と同じ瞳。
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