第1章

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食い気味に後ろで黙って成り行きを見ていた、キリウェルが飛び出してきた。 そして、郁の体に顔を押し付ける。 キ「マリアが母上と父上の子供として  生まれるんだ  そうすれば、僕とマリアは“同じ”になる」 訳がわからないことだ。 けれど、1つ理解したことがあった。 母上と、父上の子。 呉「…臣と郁の…子供ですか……?」 そんなはずはない。 2人は男同士。 魔法が満ちあふれるこの世界でも、男同士で子供を作る技術はまだない。 しかし、そんな事ぽかりと頭の中から抜け落ち、2人の子供という言葉だけが頭に残った。 優「……どういうことだ?」 怪訝な表情で優和は郁を見つめる。 キリウェルに説明を受けることを諦めたらしい。 郁「長い話になります  異常が無ければ、談話室に行きませんか?」 いつも郁は何もかもを見据えた瞳をする。 兄貴と同じ瞳。           
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