第1章

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郁「2人は違ったんだ」 臣「だから、互いに愛し合うことを  世界が許さなかった」 頭の上に疑問符が浮かんでいるみんなの顔。 潤「郁はよく“違う”というが、  何が違うんだ?  同じ人…!」 臣「人間じゃない、俺達は」 潤先輩の言葉を臣が遮る。 まだ、疑問符は消えないみたいだ。 難しいのか、理解が追いつかないのか、みんな眉間にしわを寄せる。 臣「いや、それは違うか  正しくは、今は身体は人間のものだが、  魂が人間じゃない」 優「1から説明してくれるか?」 苦笑いを込めながら、言われた言葉にその方がよさそうだと納得する。 自分の身近でないことがらは理解するのに時間がかかる。 その時間を与えていくべきなのだろう。 郁「イヴとアダムには、  もとは身体はありませんでした  そもそも、天界に肉体は必要ないのです」 臣「神様達が創ったのは、精神体  つまり、魂だ  ほら、あの時見ただろ?」              
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