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臣「そして、異なる種の間での愛は
世界によって否定された
混血することを世界は許さなかった」
レ「ちょお、待ってや
その世界っちゅうんは、何モンなんや?」
慌てたように、レオンは頭を抱える。
そうか、なかなか全てを伝えることは難しいらしい。
周りを見渡してみても、全てを理解している様な雰囲気の人はいなかった。
郁「世界というのは、その名の通り“世界”
俺達が過ごすこの世界、
神よりも最高位の存在であり、秩序そのもの」
そう言ってもさらに眉間のしわを深くしてしまうようだった。
その表情がみんな同じようで、思わず笑みが零れる。
郁「すぐに全てを理解しなくても大丈夫
疑問があれば、その都度答える
とりあえず話し続けるから、
また思い返してみて理解していって」
皆がコクリと頷いたのを確認してから、臣に視線を移す。
そして、また話し始めた。
臣「そこで、最初の話に戻る
イエスがマリアを愛することを、
マリアがイエスを愛することを
世界は許さなかった
しかし、2人は互いに愛し合った」
郁「その対価として、
イエスは悲惨な最期を迎え、
マリアはそれを見ているしかなかった」
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