第1章

37/57
前へ
/61ページ
次へ
思わず、耳を疑う。 パッと潤先輩と握っていた手を話し、自らの体内の気配を探る。 確かにキリウェルが言った様に、2つの気配が感じられた。 郁「マリアだけだと思ってた……  まさか、あの時の…」 過去の光景がフラッシュバックする。 戦いの前夜、潤先輩と抱きしめ会った。 確かに、高揚して魔力の調節が出来ていなかったかもしれない。 潤「……いるのか?」 ふと、横から先輩の手が伸びてきて、腹部に触れる。 その言葉に頷きだけを返す。 そうすると、潤先輩はふわりと微笑んだ。 潤「そうか…」 それきり何も喋らない。 しかし、その口元は確かに弧を描いていた。 臣「無意識に魔力が混じり合ったのか…  よほど、相性が良かったんだな」 そう言いながらも、臣の表情は険しい。 何故なんて聞かなくても分かっている。              
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

988人が本棚に入れています
本棚に追加