第1章

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潤SIDE あれから、4年の時が過ぎた。 俺や呉羽は、シュベルク学園の大学部を受験し、そのまま進学した。 劉矢と千鶴、寮長だった零は、将来継ぐための勉強をしに、それぞれ外国へ留学していった。 これで、俺達はバラバラになったというわけだ。 ただ、時折連絡はとってはいる。 あっちはあっちで、楽しく過ごしているみたいだ。 俺達が大学部へ進学した1年後、レオンとカイルも入学して来た。 高等部の頃の友情はまだ続いている。 けれど、足りなかった。 あれから、大学に入って毎日は行けなかったが、頻繁には会いに行った。 あの時から、何も変わらない。 あの教会の中だけ、時が止まっているようだった。 あの教会には毎日、多くの参拝者が訪れる。 花や食べ物を供え、頭を垂れ、感謝を捧げる。 この世界の全ての人が、崇拝する。 話しかけ続けた。 時には、手に触れたこともあった。 呉「潤、行きましょう」 潤「あぁ」 そして、今日も教会へ向かう。
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