第1章

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潤目線 子供が出来た。 まだ実感はない。 けれど、キリウェルや兄貴、郁によると確かに俺の気配も感じられるらしい。 最初は、嫉妬した。 兄貴との子供。 郁の身体に、兄貴だとしても他の男が触れたのだと思うと、周りが見えなくなる。 けれど、そんなことはしていないらしい。 郁から説明された子供の創り方も、魔法の合成に似たものだったし。 それに、帰る間際に呉羽の家に寄ってから帰ると言った兄貴にさんざん言われた。 しかし、あの時に子供が出来てしまったとは。 確かに言われてみれば、魔力のコントロールが上手く出来ていなかったかもしれない。 しかし、それは仕方がないだろう。 好きな奴との初夜だ。 しかも、あんな状況での。 可愛すぎて、愛しすぎて、壊しそうだった。 それを懸命に抑えていたのだから、逆に褒めてほしいくらいだ。 郁「楽しそうですね、先輩」 見上げてくる郁と目線を合わせる。 ふわりと笑うその表情はやっぱり可愛い。 愛おしい。
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