第1章

43/57
前へ
/61ページ
次へ
郁「……っ…」 優「大丈夫か?  少し、休むぞ  動けるか?」 魔力がルシファーの下に行ってしまっているだけでなく、2人の子供たちにも分けられている。 そんな状態の俺の中に残る魔力は、ごく微量になってしまっていた。 普通に生活していても、いつでも魔力が枯渇しそうな状態。 その為、体力が無く、すぐに息が上がってしまう。 どれだけリハビリをしても、俺は車椅子を手放せそうになかった。 リハビリは2、3週間続き、臣はもはや普通に歩けるようになっていた。 臣「双子は初めてだからな  いつも通りとはいかないか」 ソファに力なく横たわる俺を見下ろす臣。 魔力が枯渇している俺に、わずかでも黒の魔法の気配を流すわけにはいかず、臣は少しでも俺に触れない。 今も、一定の距離を保っている。 しかし、その声色と表情から心配していることは分かった。 郁「大丈夫だよ  前よりは体、動くようになってきてるから」 瞳を閉じて、魔力の回復を待つ。          
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

988人が本棚に入れています
本棚に追加