出立

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ウェルは走り去った。バンに食べ掛けのアイスを手渡して。 「要らねぇ!!思わず受け取っちまった!」 「アホね…。ちゃんと食べなさいよ?」 「くっ…メアが変なこと言わなければ…!」 「あははは……」 愉快な五大貴族である。 「私達も行こ…?エル君のお見舞いも兼ねて。」 「すること無いし…そうしましょうか。」 そう言ってシェリア達は座っていた席を立ち、休憩室を出た。 「コレ…どうすりゃいいんだよ…。」 「捨てて来なさい。」 「エル、入るわよ。」 『ん?ああ、どうぞ。』 「何よ、案外平気そうーーって、えっ!?」 エルの許可を得てメア、バン、シェリアの三人は部屋の中に入った。 しかし、先頭を歩いていたメアが目撃したのは、気分を悪そうにしてベッドに横になるウェルの姿だった。 「おいおい、何でウェルの野郎が寝込んでんだよ。」 「スキップしてたら寄ったんだとよ。」 「馬鹿か……」 珍しく冷めた目でウェルを見下ろすバン。エルやシェリアは苦笑いしか出来なかった。 「あれ?エルの部屋にそんな石有ったっけ?」 「ん?」 話を変えるようにメアがエルの部屋の机を指す。そこにはバレーボールほどの大きさをした淡い緑色の石が座していた。
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