出立

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ー ーーー ーーーーー 「ーー以上より、バン・フレイ、メア・ネスト、ウェル・プリム、シェリア・エクセント、エル・ソルトの以上五大貴族の、王立スローラル学園の卒業をここに許諾致します!」 アリアス学園長の言葉に会場から拍手が沸く。俺達は壇上から全校生徒に一礼した。 俺達はアルの一件ののち、五人の再会を果たした。 メアもすっかり元気になっている。さすがバンだ。いったいどんな言葉をかけたのか気になるもんだ。 五人そろった俺達は調子を取り戻し、メアは圧倒的なハイテンションで異質な目線を跳ね除け、一般生徒たちとの間のわだかまりを消してみせた。 早くもメアの世話になってしまったな。お陰様で清々しい卒業式となった。 壇上から降りた俺達はそのまま学園から去るように歩いて行く。Bクラスのみんなは温かく俺を送り出してくれた。 「エルぅ~~!!元気でなぁ~!!」 「号泣するほどかよ。」 「またいつか……会えるよね?」 「いやいや、別にどっかに去るわけじゃねぇからな。気軽に遊びに来いって。」 「宿題教えてー」 「今かよ!」 ココとミーアがすごく切ない言葉で攻めてくる。まるで永遠の別れになるみたいじゃないか。 みんなはふざけているが、ちゃんとココ以外は冗談だということはわかってるんだろう。 ただ、妙な伏線を張ったココとミーアを恨む俺がここにいたりする。 一足先に卒業した俺達に待っていたのは当然ながら暇な時間などではなかった。 世界四カ国の情報整理や魔法の練習で時間を埋めていった。 そんなある時、見逃すわけにはいかない、見逃せるはずがない情報が入ってきた。 『フロール王国、光の貴族ミーシェ・ハイライン。 ギルド依頼中、魔族の襲撃により意識不明の重体。 一命を取り留めたがまだ意識は戻っていない。 同じく雷の貴族イリス・フルーネ。 ミーシェ・ハイラインの同行し、魔族の襲撃により全治三週間の傷を負う。 現在は順調に回復に向かっている。』 フロール王国で一国を揺るがす事件が起きたんだ。
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